お味噌の種類は家庭の数だけある
お味噌はもともとは各家庭で仕込まれていたものです。
”手前味噌”という言葉があるくらい、その家の味がそれぞれ一番美味しく感じるものです。
お味噌は日本人のSoul Foodなんだな~とつくづく思います。
たとえ買ったお味噌でも、自分が食べて育った味が一番美味しく感じるものなんですね。
それでも舌が肥えてくると、より美味しいものを求めてしまうのもまた人の性。
「美味しいお味噌が食べたい!」その思いが味噌作りの原動力になっています。
各家庭の味ですが、住んでいる地域でも大きな違いがあります。
今日はそんなお味噌の大まかな種類を紹介したいと思います。
大きな分類は3つ
お味噌の基本材料は大豆と麹と塩です。
その中の麹の種類によって、大まかな3種類に分けられます。
1つは我が家でも仕込んだ米麹の米味噌。
2つめは麦麹の麦味噌。
3つは豆と塩のみで作られる豆味噌です。
麹の材料によって大まかにこの三つに分類されます。
一般的なのは米味噌でしょうか。
ちなみにここ山梨の甲州味噌は麦麹と米麹のブレンドしたものです。
というのも山梨は耕作地が非常に少なくお米の栽培が難しく多く収穫できなかったことが起源だそうです。
貴重なお米と二毛作で収穫された麦を使って作られたのが甲州味噌。
今でこそ武川米などの有名なお米がありますが、昔はお米の栽培は非常に難しかったそうです。
今現在、我が家には昨秋に仕込んだ甲州味噌が眠っております。
お味噌ワークショップに参加させてもらい仕込みました。
失礼ながら甲州味噌を今まで知りませんでしたが、ワークショップでお味噌の試食もさせていただきその素朴な味わいにすっかり魅了されました。
お味噌の中にある甘みが今まで食べてきたものとは違い、美味しい!!と感動しました。
そう、お味噌は家庭の味でもありその土地の味でもあります。
米麹味噌の代表 白・赤・淡色
白みそは京都などで食されているお味噌が有名です。
大豆と麹の割合でそれぞれのお味噌になりますが、白みそは麹の量が多く塩が少ないのが特徴です。
しっかり精米された白米で作られた麹をたっぷり使い、熟成期間も20日以内で作られるそうです。
いつかやるぞ~!と思っていますが、やっぱり冬がチャンスですかね?
熟成期間も短いですが、その分賞味期限も短いので中々タイミングが掴めずにいまだに作れていません。
でもそろそろいい時期かもしれないですね。
冬にいただく甘みのある白みそのお味噌汁や、西京焼きは体が温まります。
あ~、食べたくなってきました(笑)
さっそく計画立ててみます♪
米味噌の中で赤いお味噌と言えば、江戸甘味噌でしょうか。
江戸時代に作られるようになったそうで、こちらも麹の割合が高めのお味噌です。
こちらも塩少な目、短期熟成ですがなぜ赤いの??と調べたところ、大豆を茹でたあと保温放置して褐変させるのだそうです。
そうすると特有の香りや色が生まれるそうです。
奥が深い!!
私の実家は神奈川ですが、曾祖父の代から第二次世界大戦まで東京のど真ん中に暮らしていたそうで祖父母の家で食べていたのは今思えばこの江戸甘味噌だった気がします。
米味噌の中で赤いお味噌はほかにも塩の割合が10~15%くらいの長期熟成味噌があります。
徳島県で生産される御膳味噌や仙台味噌、津軽味噌、赤みそなど主に関東以北の地域に多く存在しています。
塩の割合が増えると長期熟成&長期保存が可能になるので、寒い地域では様々なものをお味噌につけたりと保存食にも活用されてきたのがお味噌なんですね。
まさにその土地ならではの工夫と味。
奥が深いです。
淡色の米味噌の代表はやっぱり信州味噌です。
塩分も11~15%くらいの比較的長期保存型のお味噌ですが、なぜ褐色化しないのでしょうか?
それは加工法に秘密があるようです。
材料の選択から、大豆の処理の仕方などで淡い色のお味噌になるそうです。
「色にこだわる」というのが何とも食への情熱を感じさせます。
長野は山梨のお隣なので良く行きますが、美味しいものが沢山あります。
土地柄なのか、食への情熱を感じます。
麦味噌は関東以西
麦味噌の中にも短期熟成のものと長期熟成のものがあります。
麹の割合を多くして長くて3か月ほどの熟成で仕上げるのが九州などで食されている甘口の麦みそ。
関東では麹の割合を抑えて長期熟成で辛口に作られる麦みそなどがあります。
田舎味噌と呼ばれる種類のお味噌もこの麦みそだそうです。
麦みそにも挑戦してみたいと思ってはいますが、麹屋さんのお話では麦特有の香りがあるから苦手な人はいるかもとのことでした。
まずは甲州味噌を入門にして、そこから麦の割合を増やしていけばいいのかしら?と考え中です。
豆と塩のみで作られる豆味噌
一番有名な産地は愛知県でしょうか?
豆味噌と言えば赤だし?と思いましたが、正確には赤だしのお味噌は豆味噌と米味噌の調合味噌だそうです。
岐阜県や三重県でも作られる豆味噌。
豆麹を使うそうです。
私は今まで豆麹というものを見たことがありません。
地域がら手に入りにくい地域にいたんですね。
2年以上かけて熟成することもあるくらい超長期熟成型お味噌。
わずかな苦みと渋みが特徴だそうです。
確かに赤だしをお寿司屋さんでいただくと苦みと渋みのある味がします。
その独特な風味は好き嫌いがわかれそうですが、夏などの暑い季節にはピリッととしていいかもしれませんね。
その地域の気候・風土が大きくかかわるお味噌の世界。
まだまだ知らないことばかりで興味深々です。
チャレンジしたいお味噌・金山寺味噌
夏になると食べたくなる金山寺味噌。
お味噌自体が食べ物のように具が入っています。
あの粒粒ごろごろしたものはなんだろう・・・とかねてから疑問でした。
調べてみると、そもそも麹が米・麦・豆の麹をブレンドしたもの。
そして具はショウガやみょうが、ナスにキュウリや人参などなど。
具材から見て夏の食べ物ですね。
夏になってきゅうりや茄子が出回るようになったら挑戦したものです。
お味噌の種類は本当に沢山あって、同じように作ったつもりでも毎年味が違います。
でもそれもまた魅力の一つかと思います。
お味噌汁大好きな私のお味噌作りの修業はまだまだ続きそうです。